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小野 礼人; 高柳 智弘; 杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計
JAEA-Technology 2022-036, 31 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」)は、原子力科学研究所の大強度陽子加速器施設(J-PARC)など、多くの研究施設を有している。これらの施設には、電力を扱う受電設備や電源装置等多くの電気設備が設置されている。しかし、製造されてから半世紀以上の年月を経ている設備があり、これらの設備において、製造当時は優れた性質を有することから使用されていた材料等が、現在では有害物質として定められ、廃棄をする場合には特別な管理を必要とするものが存在する。その一つとして、ポリ塩化ビフェニル(PCB)があげられる。PCBは、熱に対して安定であり、電気絶縁性が高く耐薬品性に優れている。そのため、非常に幅広い分野に用いられた。しかし、PCBが難分解性の性状を有し、かつ、人の健康及び生活環境に係る被害を生じるおそれがある物質であることがわかり、国は「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年法律第65号、略称:PCB特別措置法)」を制定した。原子力機構おいて、令和4年4月に高濃度PCB廃棄物の該当品が新たに見つかる事象が発生したことを受け、令和4年6月に高濃度PCB廃棄物の掘り起こし再調査を実施した。現在は、低濃度PCB廃棄物について、掘り起こし調査を進めているところである。しかしながら、PCB廃棄物の新たな発見は、PCB使用されている可能性が高い設備や装置の見極めが非常に難しいことを示している。PCBは、変圧器やコンデンサ等の絶縁油に使用されている場合が多い。特にコンデンサは、使う材料や構造などによりサイズや形状が異なるなど多くの種類があり、見た目の判断だけではコンデンサであることを見逃してしまう可能がある。そのため、対象とした設備の仕様の理解と、外観検査からも該当品を見つけ出す知見と能力が調査担当者に要求される。本報告書では、PCB廃棄物の掘り起こし調査で実施した電源装置の分解調査作業の事例を基に、PCB廃棄物を外観検査で見つけ出すために必要な知見を紹介する。さらに、コンデンサを見つけた場合は、使用していない状態であっても充電されている可能性を認識し、焼損、感電、火災につながる危険性と取り扱い時に注意すべき点を報告する。
Zhang, P.*; Tang, X.*; Wang, Y.*; Wang, X.*; Gao, D.*; Li, Y.*; Zheng, H.*; Wang, Y.*; Wang, X.*; Fu, R.*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 142(41), p.17662 - 17669, 2020/10
被引用回数:21 パーセンタイル:73.83(Chemistry, Multidisciplinary)固体トポケミカル重合(SSTP)は機能的な結晶性高分子材料を合成するための有望な方法であるが、溶液中で起こるさまざまな反応とは対照的に、非常に限られたタイプのSSTP反応しか報告されていない。ディールス・アルダー(DA)および脱水素-DA(DDA)反応は、溶液中で六員環を作るための教科書的反応であるが、固相合成ではほとんど見られない。本研究では、固体の1,4-ジフェニルブタジイン(DPB)を10-20GPaに加圧することで、フェニル基がジエノフィルとして、DDA反応することを複数の最先端の手法を用いて明らかにした。臨界圧力での結晶構造は、この反応が「距離選択的」であることを示している。つまり、フェニルとフェニルエチニル間の距離3.2は、DDA反応は起こせるが、他のDDAや1,4-付加反応で結合を形成するには長すぎる。回収された試料は結晶性の肘掛け椅子型のグラファイトナノリボンであるため、今回の研究結果は、原子スケールの制御で結晶質炭素材料を合成するための新しい道を開く。
Kim, H.*; 箱田 照幸; 小嶋 拓治
Journal of Physics D; Applied Physics, 36(5), p.473 - 481, 2003/03
被引用回数:6 パーセンタイル:28.14(Physics, Applied)電子ビーム照射によるごみ燃焼排ガス中のダイオキシンの分解機構を明らかにする研究の一環として、ダイオキシンのモデル物質としてビフェニルエーテル(DPE)を数ppmv含む473Kの高温ガスに電子ビーム照射を行い、線量に対するDPEの分解率や分解生成物の濃度変化から、その分解機構を調べた。その結果、DPEの分解初期には、含水ガス中であってもOHラジカルは関与せず、主にO原子が寄与することがわかった。また分解したDPEは、90%の収率でハイドロキノン,二酸化炭素及び一酸化炭素となることがわかった。
石塚 悦男; 菅 智史*; 河村 弘; 小野澤 仁*
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.517 - 521, 2001/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.6(Nuclear Science & Technology)ポリイミド巻線を使用した耐放射線小型モータを開発し、JMTRを用いて照射試験を実施した。耐放射線小型モータには、フィールドコイルとしてポリイミド巻線、マグネットとしてNd-Fe、ベアリング等の潤滑剤としてポリフェニルエーテルを用い、フィールドコイルはMgO,AlOを充填したシリコン樹脂で固定した。耐放射線小型モータは約50で照射し、線量率と高速中性子束はそれぞれ7.410Gy/sと6.610n/m/sであった。モータの回転試験を実施した結果、線量及び高速中性子照射量が3.110Gy/sと2.810n/mまで正常に回転した。また、フィールドコイルの絶縁抵抗及び導体抵抗を測定した結果、線量及び高速中性子照射量が3.110Gy及び2.810n/mにおいても導体抵抗及び絶縁抵抗が110及び12であり、照射開始時より顕著な劣化は観察されなかった。
田口 光正; 早野 一樹*; Xu, Y.; 森山 正洋*; 小林 泰彦; 平塚 浩士*; 大野 新一*
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.263 - 268, 2001/03
被引用回数:16 パーセンタイル:73.13(Chemistry, Physical)フェニルアラニン水溶液へNeイオン照射を行い、OHラジカルとフェニルアラニンとの反応によって生成する3種類のチロシンをHPLCによって定量分析した。イオンが止まるまでの全チロシン生成量と、入射エネルギーとの関係から微分G値(イオンのエネルギーとともに連続的に変化するG値)が求められた。微分G値は300~500eV/nmのLETでは線よりも大きな値を示すが、LETの増加に伴いその値が減少することがわかった。
田口 光正; Xu, Y.; 小林 泰彦; 森山 正洋*; 平塚 浩士*
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.25 - 27, 1999/10
L-フェニルアラニンを超純水に濃度13mMで溶解させ、Heガスで飽和し207MeV Cイオンを照射した。HPLC測定したところ、フェニルアラニン自身、さらにp-,m-,o-チロシンのシグナルが観測された。クロマトグラム上のピーク面積からチロシンの生成量を求めたところ、チロシン生成のG値は線、イオン照射ともに0.300.03と見積もられた。つまり無酸素状態では、線でもCイオンでもOHラジカルは同程度生成したと考えられる。次にNOガスを飽和した試料に放射線照射し、同じくチロシンの生成量を調べた。NOは水和電子を素早くスキャベンジしほぼ同量のOHラジカルを生成する。そこでチロシン生成のG値とOHラジカル、水和電子のG値とは次の関係式が成り立つ; G(Tyr)=fG(OH)f(G(OH)+G(e))。fは生成した全OHラジカルのうちチロシン生成で消費される割合を示す。NO飽和した試料へ線及びCイオン照射した場合、チロシン生成のG値は0.580.04及び0.390.02と見積もられた。線照射した場合のOHラジカル及び水和電子のG値は2.8及び2.7であることから、fは0.105と求められた。この値を用いることによりCイオン照射での水和電子のG値は0.9(0.39=0.105(2.8G(e)))と見積もられた。
玉田 正男; 越川 博; 細井 文雄; 諏訪 武; 臼井 博明*; 小坂 篤史*; 佐藤 壽彌*
Polymer, 40(1), p.3061 - 3067, 1999/00
トリフェニルアミンメチルアクリレート薄膜を230Kから290Kの範囲のインジューム・スズ酸化物基板上に真空蒸着により作製した。エレクトロルミネッセンス素子の構築を目指して、この薄膜に引き続き真空中でUV光を照射し重合させた。真空中での薄膜の重合をフーリエ変換赤外反射吸収法により調べた。UV光の照射により重合率はほぼ100%に達した。基板温度が高い場合、重合時間は短縮されたが、薄膜表面の凹凸が増加した。重合のメカニズムはモノマー消費速度の次数からラジカル重合機構で説明が可能であった。数平均分子量はUV強度が減少するに従い増加した。
城 昭典*
PNC TJ6614 97-001, 30 Pages, 1997/03
前年度動燃事業団人形峠事業所において、本研究で提案したプロセスで製造されたイエローケーキ中に基準値以上のチタンが混入してくることが確認されたので、本年度はチタン混入の原因究明とその改善対策を最重要目標として研究を進めた。その結果、チタン(IV)はウラン(VI)より強くメチレンホスホン酸型樹脂(RCSP)に吸着されることが明らかになった。また、RCSPに吸着されたチタン(IV)は、溶離率が30-45%程度と低いものの、ウラン(VI)と同様に炭酸ナトリウムにより溶離されることもわかった。これらの結果により、チタン(IV)とウラン(VI)の性質は類似しており、必然的にチタンがウランに混入してくることがわかった。このためチタン(IV)とウラン(VI)の分別溶離法の開発が必要不可欠であると考え、チタン(IV)が過酸化水素-EDTAと安定な三元錯体を形成することに着目して、過酸化水素-EDTA溶液によるチタン(IV)の溶離を検討し、吸着されたチタン(IV)がほぼ定量的に溶離可能であることを認めた。つぎに、ウラン(VI)とチタン(IV)の分別溶離について検討した。チタン(IV)とウラン(VI)を負荷したRCSPカラムに、酢酸ナトリウム、過酸化水素-EDTA、炭酸ナトリウム、水、塩酸の順に通液した結果、チタン(IV)は過酸化水素-EDTAにより、ウラン(IV)は炭酸ナトリウムにより選択的に溶離され、チタン(IV)とウラン(VI)が分別溶離できることがわかった。ただし、チタン(IV)とウラン(VI)の混合系では各金属の溶離率が減少した。
田口 光正; 南波 秀樹; 青木 康; 永井 士郎; 平塚 活士*
Radiation Physics and Chemistry, 49(2), p.253 - 256, 1997/00
被引用回数:3 パーセンタイル:30.34(Chemistry, Physical)トリフェニルメタン類を含む高分子フィルムにイオン注入器からのHeイオンと、Nレーザーからの紫外光を同時照射した。その結果、500から600nmにかけて、振動構造を持つ発光スペクトルが得られ、トリフェニルメチルラジカルの生成が確認された。この発光の強度はイオンのフルエンスを変化させた時には、210ions/cmまでは増すが、それ以上では減少することが分かった。この現象を理解するために簡単なモデルをたて、シミュレーションを行ったところ、イオンのトラック半径を3.5nmとした時に実験結果とよく一致することが分かった。
川上 泰*
PNC TJ1564 95-004, 14 Pages, 1995/03
中、低レベルの放射性廃棄物はアスファルトで固化されて地層処分される。そのため処分環境でのアスファルトの安定性の評価が重要である。アスファルトの主要成分は炭素数の多い炭化水素の集合体であり、長期間のうちには微生物により分解される可能性がある。本研究では、微生物によるアスファルトの分解に関わる現状調査及びアスファルトの成分分画と微生物による易分解成分の同定を行い、今後のアスファルトの生物的な安定性の検討とよりよい固化材をめざす研究開発に資することを目的として行われた。その結果は次のようにまとめられる。1.アスファルトの成分分画及び化学分析に関して・本実験に用いたアスファルトは動力炉・核燃料開発事業団、東海事業所 環境技術開発部 地層処分開発室より供給されたもので、実際にプロセス濃縮廃液の固化に用いられているものである。このアスファルトを石油学会規格の方法により分画した。その結果は、飽和分:20.3%、芳香族分:33.4%、レジン分:21.6%、アスファルテン分:24.7%(回収率92.3%)であった。この数値は今回用いたアスファルトがブローンアスファルトであるため、昨年度のストレートアスファルトに比べ、レジン分、アスファルテン分が多くなっている。化学分析としては紫外-可視吸光スペクトルをとった。そのスペクトルから1)トルエン流下分には芳香環2-3の芳香族炭化水素とその関連物質が多く含まれる。2)レジン画分には直鎖の炭化水素骨格に酸素などが付加した極性物質が多く含まれる。3)アスファルテン画分には芳香環が4以上の多環芳香族炭化水素とその関連物質が多く含まれる。ことが示唆された。2.アスファルトを最も劣化させ易い微生物の選定及び培養実験に関して・地下埋設処分に用いられるアスファルトを劣化させる能力を持つ微生物を用いた実験のために昨年度用いた芳香族炭化水素分解細菌の既存株の他に、新たに環境中より適当な菌株を単離した。川崎、横浜両市の淡水域と海水域より水試料から目的の細菌を数株単離した。・今回単離した菌株のうち、その一部の脱窒能を調べた。その結果かなりの株が脱窒能を有していた。・脱窒能は有機炭素源を用いた時は高い能力を示したが、モデル炭化水素を用いた時は極めて薄弱なガス発生しか観察されなかった。
今坂 一道*; 高山 幸三*; 吉田 勝; 大道 英樹; 永井 恒司*
European Polymer Journal, 28(7), p.709 - 712, 1992/00
被引用回数:4 パーセンタイル:25.35(Polymer Science)生体内分解性三元系ポリマーの設計に、コンピューターを応用し、所望の分解パラメータを有するポリマーを得るための最適化技術を開発した。対象とした三元系ポリマーは、L-乳酸、DL-マンデル酸、P-ヒドロキシフェニルプロピオン酸からなり、無触媒系、200Cで窒素ガスを導入しながら直接脱水縮合により合成した。最適化にはExtreme Vertices Design法を用いin vitro分解率、ポリマー組成、分子量パラメータ(Mn,Mw,Nw/Mn)から3つの仕込モノマー組成を予測した。その結果、予測値と実測値がよく一致することが分かった。
今坂 一道*; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 浅野 雅春; 熊倉 稔*; 真下 透*; 山中 英寿*; 永井 恒司*
Int. J. Pharm., 81, p.31 - 38, 1992/00
被引用回数:9 パーセンタイル:41.18(Pharmacology & Pharmacy)直接脱水縮合により、主鎖もしくは側鎮にフェニル基を持つ生体内分解性ポリマーを合成した。このポリマーを、圧融着法を用いて、細いシリンダー状に加工したのち、動物実験にて、ドラッグデリバリーシステム用担体としての性能評価をおこなった。使用した薬物は、前立腺癌の治療薬の1つであるエストラマスチンであり、得られた製剤からのIn vivo薬物放出と薬理効果は10週の期間にわたって認められた。
今坂 一道*; 永井 恒司*; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 浅野 雅春; 熊倉 稔
Makromol. Chem., 191, p.2077 - 2082, 1990/00
L-乳酸(LA)と芳香族オキシ酸を無触媒下で直接脱水共縮合させ、共重合性とin vitroでの分解性を検討した。H-NMRとGPCのデーターから、反応が定量的に進行することが分かった。しかし、得られたコポリエステルの分子量は一般的に低い値を示した。LAとp-オキシフェニルプロピオン酸のコポリマーの場合、in vitro分解パターンは、ポリマー中の芳香族オキシ酸組成の増加に伴い、放物線型からS-字型に変化した。これに対し、p-オキシフェニル安息香酸もしくはp-オキシフェニル酢酸のような芳香族オキシ酸を含むコポリエステルでは、放物線型分解パターンのみを示した。
小原 建治郎
JETI, 37(12), p.100 - 107, 1989/12
原研は、(株)村松石油研究所と共同で高温・真空・耐放射線性のある油潤滑剤(新グリース)を開発した。新グリースは基油にポリフェニルエーテル系合成油を使用し、ベントナイト造調剤と二硫化モリブデン粉末を基本組成とする。この結果、温度~200C、圧力~10Torr、集積線量10radの環境条件での使用が可能で、潤滑性能では、耐荷重能は固体潤滑剤(MoS焼成膜)とほぼ同等、耐久性については、MoS焼成膜、市販真空用鉱油系、フッ素化油系潤滑剤の約2倍の油潤滑剤が開発された。なお、新グリースは商品名「モレスコハイグリース」として近々(株)村松石油から発売される予定である。
吉田 勝; 浅野 雅春; 玉田 正男; 熊倉 稔
Makromol. Chem. Rapid Commun., 10, p.517 - 520, 1989/00
p-ニトロアニリン誘導体の1つである(s)-2-hydroxymethyl-1-(4-nitrophenyl)pyrrolidineは、既存の誘導体の中で最も高い2次光学非線形性をもつ化合物であることが知られており、この化合物のsecond harmonic generation(SHG)活性は、methyl 2-(2,4-dinitrophenylamino)propionatoの約10倍に相当する。そこで、我々はこの化合物とmethacryloyl chlorideを反応させ、新しいタイプの有機非線形モノマー(s)-2-methacryloyloxymethyl-1-(4-nitrophenyl)pyrrolidineおよびそのポリマーを合成することを試みた。モノマーの構成は、H-NMR、IR、そして元素分析(C、H、O、N)によって同定した。一方、このモノマーの重合性は種々の有機溶媒中、AIBNの存在下で行なった。例えば、メタノール中で反応させた時、ポリマーは溶媒系から析出沈澱してくると同時に均一な粒子形成(0.5m径)をともなうことが分かった。
森田 洋右; 萩原 幸; 笠井 昇
J.Appl.Polym.Sci., 27, p.3569 - 3576, 1982/00
被引用回数:5 パーセンタイル:35.87(Polymer Science)原子炉周辺などの放射線照射下で使用される有機高分子材料のなかで、電線ケーブル絶縁材は炉の安全にとって重要な役割をはたしている。先の重合性難燃剤である臭素化アセナフチレン縮合体(con-BACN)を配合したエチレン-プロピレン-ジェンゴム(EPDM)の難燃化につづいて、本論文はcon-BACNによるEPDMの耐放射線化について検討したものである。Co-線照射に対し、con-BACN配合EPDMは非常に高い耐放射線性(800~1000Mrad)を示した。さらに、con-BACNの耐放射線性付与機構を検討するために、con-BACN配合EPDMの酸素雰囲気中(O中)及び窒素(N)雰囲気中での照射劣化挙動を調べた。比較例として、添加型難燃剤デカブロムジフェニルエーテル、アセナフチレンの試料についても検討した。この結果、特にO中で、重合性のcon-BACNは照射による基材ポリマーの酸化劣化を補償する橋かけ作用のあることが推論された。
保泉 澄
Liquid Scintillation Counting, Incorporating Whole-Body Counting and Radioimmunoassay,5, p.50 - 55, 1977/09
軟ベータ核種の放射能測定に用いられる液体シンチレーションカウンターは極めて広い範囲の研究分野で利用されている。液体シンチレーション計数における測定効率の補正は多くの場合 Quenched Standard を用いて行われているが、実際に使用されている Quenched Standard の品質には相当のバラツキがある。この原因を探索すると、標準試料の調整方法以外に試料そのものの経時変化もあることが考えられる。この経時変化の内容を調査するためC-14およびH-3で標識したトリフェニルメタンを用いて Quenched Standard を調整し、5年余にわたって追跡観察をしてきた。この実験の結果、経時変化の起こる事実を確認できたので、追跡観察の内容について報告する。
井澤 君江; 青柳 寿夫; 吉田 善行; 高橋 正雄
分析化学, 22(8), p.1046 - 1051, 1973/08
ナトリウム中の塩素の定量に水銀(II)-ジフェニルカルバゾン抽出光度法を適用し、1g以下のナトリウムを用いて1ppmまでの塩素を簡略に定量する方法を検討した。金属ナトリウムを水蒸気で分解し、硝酸で中和したのち水銀(II)-ジフェニルカルバゾン錯体をベンゼンに抽出し、塩素による吸光度の減少値から塩素量を求める。本法で塩素を定量する場合、ナトリウム中に存在する一般金属不純物は妨害を与えないが、臭素4g、ヨウ素13g以上が存在すると正の誤差を与える。本法によるナトリウム中の塩素の分析結果は電量滴定法によって得られた結果とほぼ一致した。
土橋 源一; 団野 晧文; Kouyama Hiroaki*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 37(4), p.478 - 484, 1964/00
被引用回数:2抄録なし